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2016年03月25日

大学院生向けに英語での教育力向上ワークショップを開催

◇開催日付:2016年2月15日

◇東京大学がその歴史上初となる推薦入試の合格者を発表した翌週の2016年2月15日(月)、大学総合教育研究センターの新プロジェクト「Professional and Global Educators’ Community(以下、PAGE)」が本格始動しました。高等教育のグローバル化を背景に、大学生や留学生を「英語で教える」授業が日本でも拡大することが見込まれています。本学を学び舎とする学生はもちろん、教える側も変化の渦中にいるといえるでしょう。
PAGEは、本学の教員、そして将来的に教壇に立つ大学院生やポスドクといった人材がその変化に円滑に対応する後押しをするべく立ち上がりました。

如月の冷えと曇天をものともせずワークショップ会場の福武ラーニングスタジオに集まったのは、14名の若手研究者たち、大学院生のほか、告知を見て問い合わせてくださった学内外の教員にもプログラムを体験していただきました。
ワークショップ参加者は4つのグループに分かれ、趣旨説明と導入レクチャーを経て、ケーススタディーに取り組みます。まず、留学生が大半を占める教室を舞台にしたケースドラマを全員で視聴してグローバルな教室をイメージするとともに、そのストーリーが投げかける授業の諸問題にどう対処すべきか、対応方針をブレインストーミングしました。
続いて、グループごとに扱う問題と対応方針を一つずつ選び、具体的にどのような行動および英語表現にして事態を好転させるかについて議論します。ただし、学会発表やプレゼンテーションと異なり、英語で教えることには個々の学習者の反応を意識した対話や教室全体の雰囲気の調和が求められます。参加者は互いに案を出しながら、慎重に言葉を吟味していました。

発表の際には、どのグループもまずは担当した問題と対応方針を明示し、続いて具体的にどう行動・発言するかについて、壁に貼った英語のスクリプトを例示しながらアイデアを会場全体に共有します。途中で参加者が自発的に英語でロールプレイを盛り込むなど、工夫と笑いが交じり合う場の空気が印象的でした。
発表のたびに、講師を務める中原淳准教授(大学総合教育研究センター)や栗田佳代子准教授(同センター)から対応策についての講評が入り、終盤には会場全体で発表内容を検討するなど活発な意見交換ができました。
また、英語表現のニュアンスの違いや教室でよく使われるフレーズについては、英語に長けたファシリテーターが参加者のアイデアを用いながらポイントを解説しました。

ワークショップ後に実施した参加者アンケートからは、「短時間でご用意されたことが信じられないクオリティだったと思います。楽しかったです。」といった声や、「大切なのは基本的な語学力の向上と、実際に英語で講義をする経験値なのかなと感じました。実践とブラッシュアップの機会をたくさん作っていただけたらと思います。」など、参加者の満足感や今後のプログラムへの期待を垣間見ることができます。小規模なワークショップではありましたが、この日はPAGEにとっても学びの多い一日となりました。

新年度を迎えると、多くの新入生がキャンパスを行き交います。また、サマースクールや交換留学等で本学を訪れる留学生も多くの学びを期待するでしょう。国際色がいや増す高等教育の現場で英語による授業に携わる人々に貢献できるよう、PAGEは今後様々なプログラムを企画・運営していきます。

 

【運営者情報】

講師
栗田 佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター 准教授)
中原 淳(東京大学 大学総合教育研究センター 准教授)

英語サポート・ファシリテーター
山辺 恵理子(東京大学 大学総合教育研究センター 特任研究員)
Diego Tavares Vasques(東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程)

教材制作
石原・中原・大房・栗田

英語脚本制作協力
Diego Tavares Vasques

映像制作
光学姉妹

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