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【東大FFP第17期】なべたん日記・DAY_2 ”前編”

「てんこ盛りのDAY2を字数少なめでは伝えられない結果、”前編”となってしまいました」の巻
「次回・DAY2からのなべたん日記は、…(中略)…字数は少なめで…(汗)」という言葉で終わった前回でしたが、この回は、栗田先生自身もおっしゃっているように、そして素人目でも、かなり「てんこ盛り」です。エッセンスだけをコンパクトに、と思ったものの、何故に「てんこ盛り」なのかを冷静に考えてみれば、それだけ重要だからなわけで…ということで、前編と後編に分けることにしました(汗)

(1)「研究紹介」の振り返り
最初は、DAY1の課題(「自分の研究紹介」の1分動画を作成し提出)をやってみての感想を共有します(今日は3名から)。前回とのつながりを意識し、まずはオンラインの中でアウトプット(自分の経験を語るのでハードルは低い)する感覚を呼び覚まします。そういう意味では、DAY2のアイスブレイク的なものでもありますが、「研究紹介」は次につながる大事な要素なので。それは後ほど。

(2)今日の授業の目的と到達目標/全体の中での位置付け
毎回の「型」ですね…「型」の話は、以前の「なべたん日記」で(笑)

(3)ワーク「統計学はやっぱり嫌い?」;教授にアドバイス
”とある教授”のお困り状態へのアドバイスを考えてくる、という前回の課題について、事前視聴の動画「モチベーション;期待価値理論」から期待・価値・環境の三要素の視点で、まずは、個人で考え、それをグループ共有のGoogle Slide上の付箋に書き出し、グループワークとして、互いの意見をとりまとめ、そして追加することはないかを検討します。
このワークは、この後出てくる「反転学習」の体験にもなっています。まずは経験し、それから解説を聞く、という順番、「型」になっていますね。そして、今回のDAY2の大きなテーマの1つである「モチベーション」への導入でもあります。

(4)大前提
学生が主体的に学んでいくためには、モチベーションの喚起と維持は重要かつ必須である」という言葉がスライドに示されています。
【ひとりごと】本当にこのことを(大)前提としているかどうかは、授業者のあり方として、かなり決定的な差異を生んでいるのではないかと実感することが、これまでの教育現場との関わりの中では、多々ありました。今一度、初中等教育の現場の方達とも話題にしていきたいですね。

(5)モチベーションのモデル「期待・価値・環境」
先のワークを受け、そして「大前提」を確認した上で、モチベーションについてのモデルの1つとして紹介されます(リンク1リンク2)。限られた時間での説明ですが、受講生の方達はすでに十分な予習がありますので、かなりすっと入ってくることになりますね。この項の最後のスライドにある、「授業者にできること;学生にとって高い価値を考える・学生の期待を高める工夫をする・協力的な環境をつくりだす」という3点は、大前提に基づく大切なポイントであり、模擬授業のデザインのベースになっていきますね。
モチベーションに関するモデルはいろいろあるそうですが、もうひとつ紹介されているのが ARCSモデルです。今回は、その動画の紹もありましたので、みなさんもどうぞ♪
【ひとりごと】相応に学習者のモチベーションは意識していたけど、こういう明確な項目立てがなかったので、やっぱりやっていたことはぼやけていたと思うし、明確な項目立てができていないと、振り返る視点もぼやけていたから、授業改善をモチベーションという視点で明確に進めたという意識が持てていなかったですね。今、もし授業者になったら、ここはかなり明確にして取り組みたいと思えるところです。初中等教育の現場のみなさん、いかかですか?

(6)クラスデザイン(授業設計)の意義
クラスとは毎回の授業のこと、コースとは一連の授業のまとまり)。身近な例としては、東大FFP(全8回)はコース、DAY1・DAY2…はクラス、ですね。
クラスデザインを行う意義について、次のようなことが示されていました。
・限られた時間を効率的に活用できる ・目的・目標に適った授業方法をとることができる ・授業改善を行いやすい ・工夫の共有が容易になる ・学生のモチベーションがあがる
【ひとりごと】初中等教育の現場の方達と「授業設計(クラスデザイン)の意義と、その意義は誰にとってのものか」という視点で議論をした際に挙がったのは、次の4つの視点でした。
 a-授業時間の効率的利用 (学習者・授業者)
 b-教授手法の計画的活用 (学習者・授業者)
 c-知識とスキルの共有 (授業者間)
 d-授業改善の効果的な対象抽出(授業者・授業者間)
aとbを、学習者にとっての意義ととらえているのは、今求められている「授業は、授業者が教える場ではあるけど、大切にしたいのは、学習者が学ぶ場である」ことを早速反映しているなと思いました。冷静に考えれば当たり前のことなのですが、これまでに見た光景としては、授業者だけが授業計画を知っていて、知らない学習者は、授業者から示されるものにただただついていく、というものでしたので。あ、自省を込めてです(汗)
しかし、話はここで終わらず、次のような意見が一人の小学校の教員から提案されました。
「dについても、授業が学習者にとって学びの場であるということからみて、学習者と(設計した)授業者の間で行われるべきものだろうし、学び合うことが当たり前になっていく中では、学び方を学ぶという視点でとらえると、学習者同士の間でも大切にしていくことですよね」
ということで、
 d-授業改善の効果的な対象抽出(授業者・授業者間、授業者-学習者間、学習者間)
と書き換えてみました。
実際に、私自身もその小学校の授業を定期的に拝見してきましたが、単元計画が教員から児童へ提案されていく中で、児童から「なぜその活動に3時(とき;授業単位、コマ数のことですね)使うんですか? これまでの感じだと2時で足りると思います」などの意見が出る教室でした。「学習者主体」という表現はあちこちに見られるようにはなってきましたが、授業者と学習者がそれぞれの立場を尊重しながらも、共に授業を創るという点で、大切な姿だと実感しました。

(7)ADDIEモデル(インストラクショナルデザインのモデル)
では具体的にクラスデザインはどのように進めればよいのか。そのひとつのモデルとして示されたのが、このADDIEモデルです。
詳細はリンク先の動画を見ていただければと思いますが、Analysis 分析→Design 設計→Development 開発/実装→Implementation 実施→Evaluation 評価→Analysis 分析→…というように、「次に活かす」”CLOSE THE LOOP ! ”で、ADDIEADDIEA…と繰り返されますが、反復なサイクルというよりも成長・変化するスパイラルなイメージですね。そして、単純な一方向の流れではなく、それぞれの間で絶えず行き来するとともに、Evaluationは、クラスやコースの最後に行って次に活かすだけでなく、ADDIの各段階に対して適宜行う評価、という意味も含まれています。(ここでは評価の方法として、自己評価・学生評価・第三者評価が示されますが、「評価」自体はDAY4のテーマとして、より深く扱われます)
【ひとりごと】先ほど述べた、初中等教育の現場の方達との「授業設計」に関する議論の中で、当然、このADDIEモデルをお示しして検討をしましたが、ほぼ参加者が口を揃えておっしゃっていたのが、
「Development は、俗にいう”教材研究”と称して、かなり丁寧に時間をかけ、また、Implementation は、”指導技術”と称して、結構、教員研修のテーマとしても取り上げている、つまり手間隙はかけているけど、Analysis とDesign は、やっていないわけじゃないけど、そんなに手をかけていなかったなと、実感しましたね」
ということでした。そして、
「Analysis とDesign がゆるゆるだと、結局、Development とImplementation に手間暇かけても、本当の意味で、授業者に見合った授業になっていなくて、教員が自分のやりたい授業をやっているだけになりがちだよね」
「そして、Evaluation は、学習者の出来不出来を評価ばかりになりがちで、不出来なときに、Development とImplementation の評価というか見直しはするけど、それ以上にならないのは、授業設計の段階で、Analysis とDesign がゆるゆるだからだろうね」
ということで、参加者のみなさんは、今一度、自分の授業設計において、ADDIEの視点でとらえ直そう、特に最初のAとDを強く意識してみたい、とおっしゃっていました。
そんなこともあり、現在、学校現場のみなさんにADDIEモデルを紹介して一緒に考えようという懇談の時間をつくっています。よろしければご連絡ください(と宣伝)。実際に、先に述べた小学校では、校内研修のテーマとして取り上げていただいております♪ 成果が楽しみですね♪

(8)クラスデザインシートの作成演習の第一歩・ワーク「達成目標の設定」
次は、いよいよDAY6・DAY7「模擬授業」の設計(クラスデザイン)の最初の一歩である「達成目標の設定」のワークです。ちなみに模擬授業は「自分の研究領域に関わる1トピックを学ぶ6分間」です。ここでもまた応募のときに書いた「研究紹介」が自己紹介、動画作成と経て、ずっとつながってきています。また「1トピックを6分間で」というのは、栗田先生曰く、授業の構成要素を含むぎりぎり最小の姿、とのこと。さまざまな模擬授業のスタイルやその研究がある中で、この東大FFPのコース設計(与えられた時間や人数などの環境条件)を踏まえた上での、最善の選択のようです。
このワークに先立って、授業を作る上で(ADDIEモデルにおいても)重要な「目的と到達目標」についての解説がありますが、これもやはり以前の「なべたん日記」で紹介しました。また、関連して紹介があった、Bloomの教育目標分類Finkの「意義ある学習」分類については、私の個人的な関心で、リンクを貼っていますので、ご興味があればどうぞ。
さらに、授業構成のためのヒントとして、ガニエの9教授事象、そして、知識の体系化(グラフィックシラバスの提示、意識的な知識の関連付け)などが紹介されます。ちなみに、意識的な知識の関連づけは、すでにDAY1・DAY2の中でも、繋がりは明確に示されてきましたし、この後のDAY3以降にも、ここまでの話がさまざまな形でつながっていきますので、引き続き、お楽しみに♪

さて、DAY2はこの後「アクティブラーニング」へと進みますが、最初に述べた通り、DAY2はてんこ盛りなので(加えて【ひとりごと】が長かったので・汗)、今回はこの辺で。

ではまた。(DAY3までに”後編”を出しま〜す! と宣言)

あ、前回も紹介しましたが、東大FFPについては、次のリンク先に解説や2020年度開講の授業等が紹介されていますので、ぜひご参照くださいね。
(公式)東大FFPサイト
東大OCW 大学教育開発論(東大FFP2020年度開講分)
インタラクティブ・ティーチング(動画サイト)

大学総合教育研究センター
FFP担当 研究支援員 鍋田修身

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東大FFP第8回 (DAY8)講義映像がOCWで公開

東大フューチャーファカルティプログラム(Future Faculty Program =FFP)の8回(DAY8)「SAPチャート作成によるキャリアパス展望」の講義映像が、UTokyo OCWで公開されました。これによって、東大FFPのすべてがOCWで公開されました。

詳しくはこちらをご覧ください。

東大FFP (DAY8)がOCWで公開! – 東京大学 大学総合教育研究センター (u-tokyo.ac.jp)

SAPチャート作成によるキャリアパス展望 | UTokyo OpenCourseWare (u-tokyo.ac.jp)

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【開講しました】東大FFP 第17期 オンラインでの授業を開始いたしました

東大FFP 第17期も、インターネットを活用したリアルタイムの授業(Zoomによるオンライン授業)で開講いたしました。

第17期は、新型コロナウィルス感染症が収束しない厳しい環境下にもかかわらず、大変多くのみなさまにご応募いただき、61名(木曜・金曜クラス合計)の受講者と9名の他機関からのオブザーバーでスタートいたしました。

 

東大FFPとして、第15期からオンライン授業へ全面的に移行するとともに、教育のオンライン化の先導者としての役割を担うべく、引き続き、知恵を出し合い、さまざまな工夫をこらしながら、東大FFPらしいオンライン授業を行ってまいります。

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【東大FFP第17期】なべたん日記・DAY_1

「書こう書こうと思うだけでは筆は進まず、気づけば16期が終わり17期が…(汗)」の巻

最後の日記は11月18日…すでに4月15日(木)16日(金)で、17期 DAY1がスタートしておりました(汗)深い反省を込めて、前回(5ヶ月以上も前)の続きから話を進めたいと思います。

前回のなべたん日記でお伝えしたことは、次の3点でした。
(1)授業には毎回共通した、明確な「型」がある。
(2)授業者から学習者(受講者)への支援の度合いが徐々に低くなっていく。
(3)授業で学ぶ内容(コンテンツ)が、ワークなどの実体験として、随所に設定されている。

(1)については、東大FFP全体としてだけでなく、各授業での『目的・到達目標』もご紹介しましたが、「型について、実はもうひとつある」などと思わせぶりなことを書いて、そのままにしておりました(汗) 今回はこれらの話とつなげながら、DAY1-Introductionについてご紹介します。(紹介といってもDAY1後半の「高等教育の現在」などの部分には触れていませんので、内容全体にご興味のある方は、のものをご参照ください)

introductionの語源は、intro-(〜の内側に)ducere(to lead / to guide)とのことですが、目的と到達目標を示してleadしつつも、丁寧にguideされています。guideといえば、今期の東大FFP説明会で紹介された”From Sage on the Stage, To Guide on the Side”(King,A. 1993)ですね。この東大FFPを受講されるみなさんのon the Sideでguideするって感じです。〔英語苦手なのに、この段落、多いわ~〕

前回紹介の(2)でいえば「支援の度合い」が高いDAY1ですが、この後、少しずつ着実に「手放し」ていきます。それは受講生の皆さんの学び手としての主体性を大切にすることにもつながりますね。この授業だけでなく、8回の授業を通しての『設計』がそこにちゃんとあります。これはいずれ紹介される『コースデザイン』でまた。

【ひとりごと】初中等教育でも、今、「学習者主体」という言葉がひとり歩きする中、最初から「手放し」という光景は少なくないです(自戒を込めて)。しかし、そこに学習者の状態を想定して、どのようにどこまで関わるのか、という『設計』があるかどうかは大きな点ですね。そして学習者の状況に応じて、その『設計』をベースにしつつも授業のリアルは臨機応変に、そして、『設計』自体も随時見直していく、ということの連続ですね。このあたりは次の授業で紹介される『ADDIEモデル』で詳しく。

そんな『設計』は、1回の授業の随所に施されています。特にDAY1は、授業者と学習者も初対面ですし、学習者同士も、ほぼ初対面です。しかし、授業者と学習者をつなぐ系だけの授業構造ではなく、学習者同士をつなぐ系が大切な授業でもありますので、その『設計』は非常に巧妙にできています。そのあたり、以下でお伝えしますけど、字数多めでご容赦ください(先にいっておこう)。

最初の活動は、「今日の体調はいかがですか?」「画面に出ている人をみて、顔見知りは何人いますか?」という問いかけから。この回答は、Zoomの投票機能(匿名)を使って、選択肢から選ぶだけ。さくっと気楽に答えられるもので、オンラインでの発信(アウトプット)に慣れていってもらいます。

次はブレイクアウトルームで初対面の人との交流へと進みます。いわゆるアイスブレイクなのですが、ここでの活動は『自己紹介からの他己紹介』です。

話す内容は「東大FFPへの参加動機」です。これについては、東大FFPの応募の際に200字で提出が求められている、つまり一度は言語化されていますので、1分間ほどで自分の発言内容を整え、それからブレイクアウトルームに2人ずつ入って、互いに伝え合います(この『Think-Pair-Share』という手法も次回詳しく)。

大事なのはこのあとです。
2人での自己紹介が終わったら、今度は2つのペアを合体して、4人のグループとして、再びブレイクアウトルームへ。そこでは、今、ペアで聞いたばかりの自己紹介を、他のペアの方に紹介する、つまり『他己紹介』を行います。インプットしてのアウトプットです。相手の話を丁寧に聞き取り、それを他者へ丁寧に説明することが求められます。最初のペアでの自己紹介は、かなり真剣に聞き合うことになります。ある意味、逃げ道がない聞き取りです(笑)
当然、『他己紹介」までの流れを説明していますので、焦る必要はないですが、覚悟して臨む聞き取りです。でも、そうやって丁寧に聞き取ってくれることは、話す側としてもとても親密感がもてますよね。なんとなくの自己紹介だけをすることとは、決定的な違いがあります。実際、興味深いことは、初対面同士のはずの関係性が、この活動を通して不思議とよくなっていくことですね。受講者同士のよい関係をつくるための、授業者側の丁寧な工夫だと、私は思っています。

加えて、話は前後しますが、「互いに学び合うための協力的環境づくり」として、東大FFPでは次のグランドルールがあります。
• 「さん」づけで呼びます(大学院生と現職教員が共に学ぶ仲間として壁を作らない工夫です)
• どんなことからでも学べる(失敗や転ぶことからの学びは大きいということで、栗田先生も私も転びまくっています=ある種の安心感もセットで…汗&笑)
• 相手の話を関心をもってよく聴く(いわゆる傾聴の姿勢ですね)
そして最後に
・相手への発言は 3K( 敬意を持って・忌憚なく・建設的に)で

初回DAY1は、この『他己紹介』まで、丁寧に時間をかけて行いますが、その効果は大きく、受講生の声としても反映されています。そして、さまざまなところで関係性の良い交流が増していきます。そのような土壌づくりがここまでの「設計」にありますね。

このあと休憩が入り(ストレッチもあります!)、次は、自己紹介のテーマを「自分の研究分野の紹介」とし、今度は最初から4人のグループで行います(もうすっかり馴染んでいますね)。これも東大FFP応募の際に「200字で他の分野の人にもわかるように」書いていただいていますので、短時間ですぐに対応はできるようです。

ちなみに、この自己紹介を実施する前に、「なぜ、授業の最初に授業者は受講生に向けて”自己紹介”をするのか」という、その意義や価値についての問いがあり、その問いへの受講者の声(匿名)がGoogle Formに入力され、spreadsheetで共有されます(オンラインだとさくっとできますね)。実は、この自己紹介、単なる先程までのアイスブレイクの延長ではなく、今後、受講者の方達が授業者になるときに、学習者の「モチベーション」づくりなどに大きく影響すると言われています。このあたりは、『期待価値理論』()や『ARCSモデル』といったモチベーションの話が次回でてきますので、そこでまた。そして、DAY6・7で実施する『模擬授業』にむけても、コンパクトでインパクトのある「自己紹介」は大切になります。

そう、これが5ヶ月以上前にお伝えした(3)ですね。まず「経験」の場が提供されます。この「経験」が次の「学び」の段階で「あ、あのときにやったことだよね」となり、経験と学びが紐づきます。物事を理解し、自らの「学びの体系」を作る上で、とても大切なことになります。

DAY1 Introductionは、これからの学びと紐づく大事な経験を得ながら、初顔合わせの人たちが、オンラインという画面上でのみ関わる環境の中で安心してスタートできるように、guideするように設計されている、ということですね。

【ひとりごと】初中等教育の場で、学習者主体の授業で、授業者は何をするのか、というのがよく話題になっています。学習者が安心して学びにはいっていけるように、授業者が「学びの場」を丁寧に設計することは、授業者の責務でもありますね。Guide on the Side.には、さまざまな手立てがあると思います。「学びの場づくり」はこちらもぜひお読みください♪

さて、例によって長くなりました。
最後に、5ヶ月以上前の(1)で述べた「実はもうひとつある型」についてお伝えしましょう。

授業の最初に『目的と到達目標』が示され、当然、授業の最後にもそれが示されて『ふりかえり』の時間となります。これは、どんな授業にも共通する基本の型だと思いますが、東大FFPの各授業では、その最後に『デザイン』というスライドと説明が入ります。

DAY1では、
• “授業初回仕様”「互いを知る」から構成
• 体験ベース
• 問いかけ(Closed Question); ClosedからOpenへ
• 他己紹介; まずは二人組から慣らす
• Input-Output
と書かれていました。

つまり、「この授業をどのように設計したか」ということが最後に紹介されています。受講生の方が「授業の裏側を見せていただいた」と振り返りに書かれていましたが、分刻みでスケジューリングされた「授業設計書」と共に、授業づくりの舞台裏を受講生にお見せします。

それはなぜか…

だって、受講者の皆さんは、いずれ(あるいは今)高等教育の授業者になる方達ですからね。そのためのプログラムである東大FFPの中に、自分の受けた今日の授業の設計がどうなっているのかを伝える内容が含まれていることは、極めて目的に見合った大事なことだと思います。

ふぅ~、なんとか5ヶ月前の話を、今回のDAY1に紐づけられたかな…(汗)
次回・DAY2からのなべたん日記は、各回の授業の様子をフツーにお伝えしますね。字数は少なめで…(汗)

ではまた。

あ、東大FFPについては、次のリンク先に解説や2020年度開講の授業等が紹介されていますので、ぜひご覧になってください♪

(公式)東大FFPサイト
東大OCW 大学教育開発論(東大FFP2020年度開講分)
インタラクティブ・ティーチング(動画サイト)

大学総合教育研究センター
FFP担当 研究支援員 鍋田修身
(NPO法人SOMA アドバイザー)

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イベント

4月20日開催「スポットライトイベント」(グローバルFD)の紹介

東京大学駒場のグローバルFD部門は4月20日(火)夕方、東京カレッジの准教授・助教の計3名が講師を務めるスポットライトイベントを開催します。

テーマは「協働による学際的なコースデザイン:東京カレッジの事例」。東京大学の若い研究所である「東京カレッジ」を知り、学部生のための学際的なセミナーを開発した経験から学ぶ絶好の機会です。

詳しくはこちらをご覧ください。4月20日開催「スポットライトイベント」(グローバルFD)の紹介

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「インタラクティブ・ティーチング」がCouseraで公開

主体的に学ぶことやいかに教えるかを身につけるため、東京大学が展開している講座「インタラクティブ・ティーチング」。このほどCouseraで公開されました。Interactive Teaching(インタラクティブ・ティーチング) | Coursera

 

詳しくはこちらをご覧ください。「インタラクティブ・ティーチング」がCouseraで公開

 

 

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【4月14日開催】グローバルFD主催ワークショップ「政治理論における批判的思考:共約不可能性への対応」

東京大学駒場 グローバルFD部門の主催行事として、アイルランド国立大学ゴールウェイ校「政治理論」講師Allyn Fives氏をゲストスピーカーとするワークショップが、来る4月14日(水)に開催されます。

テーマは「政治理論における批判的思考:共約不可能性への対応」。詳しくはこちらをご覧ください。
【4月14日開催】グローバルFD主催ワークショップ「政治理論における批判的思考:共約不可能性への対応」

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オンライン・ウェビナー「アメリカのオンライン教育の今とアフターコロナの学び」 の紹介  

駐日アメリカ大使館から 「アメリカのオンライン教育の今とアフターコロナの学び」 の演目でのオンラインセミナーの案内がありました。奮ってご参加ください。

1.日 時        2021年4月14日(水)正午~午後零時55分(日本時間)

2.講 師        ダーシー・W・ハーディ博士 (Darcy W. Hardy)

      (Blackboard Inc. 北米高等教育学務担当アソシエイトVICE PRESIDENT)

3.司  会          石戸奈々子氏(Nanako Ishido)

(一般社団法人超教育協会理事長・NPO法人CANVAS理事長)

4.使用言語      英語・日本語(同時通訳あり)

5.参加費         無料

6.共催・協力   アメリカ大使館・一般社団法人超教育協会・NPO法人CANVAS

7.お申し込み ウェビナー登録 
  (ご登録いただいた方へ開催前に、Zoomのリンクなどログイン情報を連絡予定)

☆お問い合わせ先         TokyoPASCP@state.gov

☆ウェブサイト    https://americancenterjapan.com/event/202104147494/

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【人材募集】大学総合教育研究センター教員募集のお知らせ

東京大学 大学総合教育研究センターでは、 特任准教授・特任助教などの教員を募集しております。
締切日は2021年3月31日(必着)、着任日は7月1日(予定)です。

詳しくはこちらをご覧ください。大学総合教育研究センター教員募集のお知らせ