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【関戸のFFP日誌 vol.7】DAY7「授業の見方」

Day 7「模擬授業2回目」
・目的・目標の提示
・模擬授業実施・フィードバック
・振り返り

これまでの学びの総まとめとしてDay 6で実施した模擬授業をブラッシュアップして2回目の模擬授業を行う回です。6分間という短い時間の中で教える内容を削ぎ落とし、本当に学んで欲しいことにフォーカスした良い授業を沢山見ることができました。どの授業もDay 6から大幅に改善されていて、受講者の皆さんの学びと成長を実感できました。

Day 6とDay 7で、私は模擬授業へのフィードバックをしたのですが、その中で気づけたことを共有できればと思います。

1.「自分だったらこうする」じゃなく「この目標なら」「この目標で良いのか?」という視点

これまで私が他の先生の授業や研修受講者の授業を観ている時は「自分だったらここで興味喚起のワークを入れるかな?」とか「確認問題を入れて知識の定着を確認すれば良いのに」という見方をしていました。「自分だったらこうする」という視点です。ところがこの視点だと、ついつい「授業の手法」にばかり目がいってしまいます。

Day6の日誌にも書きましたが「授業の手法」よりも「知識の構造」に目を向けるのが授業の熟達者の視点です。「知識の構造」を意識すると「授業の目標」に対し授業の各要素は必要十分なのか?(欠けている要素、余計な要素はないのか?)、「授業の目標」に学習者が辿り着きやすい構成になっているか?と「授業の目標」に目がいくようになります。

「その人の目標なら、授業をどう構成すると良いのか?」「そもそもこの授業は、この目標で良いのか?」という点を意識するとメタな視点から授業へのフィードバックができるようになります。

2. 目標が良くできている授業=構造がしっかりしている授業

6分の模擬授業では、普段の授業よりも更に、「授業の目標」を徹底的に吟味する必要があります。「授業の目標」は幹で「学習活動」は枝葉と考えても良さそうです。授業をデザインする際に、つい「こういう話がしたい」「こういう活動を入れたい」と「学習活動」から考え始めてしまいがちですが、これでは設計図の無い状態で授業の各要素(パーツ)を作ってしまい、できたパーツを何となく並べてしまう「構造化されていない授業」になってしまいがちです。

まずは「学習者にこの授業で何を学んで欲しいか?」を徹底的に吟味し、狙った学びが起こるように授業の設計図を考えて、必要な学習活動というパーツを作る「逆向き設計」を意識することが授業デザインのコツです。その上で、「学習活動」まで作った上で、もう一度「目標」と照らし合わせて「目標」と「学習活動」が過不足なく対応しているかを徹底的に吟味すると、体脂肪率の低い引き締まった授業が作れます。


 

今回の模擬授業Finalで受けた刺激と学びを元に、私も無駄のない(体脂肪率の低い)引き締まった授業を作ってみたいなと思いました。

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【訂正】東大FFPでは特任研究員を募集について

現在特任研究員を募集していますが、応募要件に誤りがありましたので訂正させていただきます。11日が締め切りですので、ご興味のあるかたのご応募を引き続きお待ちしております。

 

誤)博士の学位を有すること

正)博士の学位を有すること、あるいは同程度の能力を有すること

 

東京大学フューチャーファカルティプログラムを間近でお手伝いいただき「教えることを学ぶ」機会ととらえ、ともに様々な企画をし教育をよくしようとしていく志の方、お待ちしています!

募集要項はこちらです。

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【関戸のFFP日誌 vol.6】DAY6「知識の構造化」

Day 6「模擬授業」
・目的・目標の提示
・模擬授業実施・フィードバック・ディスカッション
・振り返り

今回はいよいよ、受講生による6分間の模擬授業とそのブラッシュアップのためのフィードバックとディスカッションの回です。

20名強の受講者を5~6人の4グループに分け、それぞれのグループに講師がつき「模擬授業(6分間)→授業実施者への講師からの個別フィードバック(3分)→グループでのブラッシュアップのためのディスカッション(13分)」という25分弱のセッションを順に回して行きます。

6分間の模擬授業(マイクロティーチング)に導入・展開・まとめの要素を入れながら受講者が学んだと実感できる授業にしようとすると、ほんの少し脱線したり説明が長かったりするだけで簡単に6分を超過してしまいます。敢えて短い時間の授業を作り込むことで「本当に学んで欲しい本質的なものは何か?」という問いに授業者は向き合うことになります。

講師によるとマイクロティーチングにおいて学生の授業に助言するときにのコツは「手法というよりもコンテンツに対する『そもそもの視点』を持つ」ことを心がけているのだそうです。授業で学生が「学んだ」と実感するには、教師が伝えた知識を学生が再構成する必要があります。学生が知識の再構成をしようとしたときに抜け落ちている構造はないか?そもそも学生が再構成できる知識の構造になっているのか?という視点を持ち「授業の手法」の前に「知識の構造」に目を向けることが授業の熟達者になるための視点だと教わりました。
「そもそも学びが起こる知識の構造がこの授業では吟味されているのか?」私もこれからの授業をデザインする際に、常に自分に問いかけていこうと思いました。

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【募集】東大FFPでは特任研究員を募集します。

この度、東大FFPの運営などに関わる特任研究員を募集することとなりました。2019年3月に着任希望のポストです。応募〆切は2019年1月11日です。

東京大学フューチャーファカルティプログラムを間近でお手伝いいただき「教えることを学ぶ」機会ととらえ、ともに様々な企画をし教育をよくしようとしていく志の方、お待ちしています!

募集要項はこちらです。

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第9回図書館ミニレクチャの映像公開

昨年度開催された第9回図書館ミニレクチャの映像が公開されました。

http://todai.tv/contents-list/2017FY/mini-lecture9

 

図書館ミニレクチャは東大FFP修了生による簡単なレクチャの企画で、双方向的な授業形態を試すためのトレーニングの場でもあります。
これまでに形を変えながら通算11回開催しており、次回は第12回の開催を見込んでいます。
次回開催予定についても、決まり次第告知をいたしますので、今後とも図書館ミニレクチャ、および東大FFPをよろしくお願いいたします。

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【関戸のFFP日誌 vol.5】DAY5「教えなくても学びは起こる」

Day 5「まとめと模擬授業検討」
・前回の復習
・目的・目標の提示
・模擬授業検討
・ここまでの学びのまとめ(ポスターツアー)

冒頭は前回(評価の回)で何を学んだかを確認するための「問いかけ」を作り、ペアで問いを出し合い、学びを深めるワークで始まりました。これまでの授業冒頭での前回の復習を振り返ると、Day3では前回のキーワードをペアでお互いに説明する簡単なワーク、Day4では前回扱ったトピックについて有用性と限界を議論するワーク、そしてDay5(今回)は問いを作るワークと徐々にワークが複雑化しています。
授業の回が進むと、学生は知識を得るだけでなく学び方も熟達して行きます。学ぶ側の熟達に合わせてワークをデザインすることで、学びを深めることができるのだなと気付かされました。

授業前半は受講者代表2名による6分の模擬授業に対し、個人そしてグループでフィードバックを行い授業のポイントを俯瞰的にメタ視点で検討するワーク、授業後半はこれまでの内容(モチベーションとアクティブラーニング の手法・クラスデザイン・シラバス・評価・模擬授業検討とFFPからのメタ的な学び)についてポスターツアーで振り返るワークでした。

FFPでは回を重ねるごとに講師が良い意味で授業を手放して、学びを受講者に預けています。今回のFFPでは、講師が積極的に何かを説明するということはなく、受講者がグループでの話し合いから気付きを得て、全体共有の中で講師が疑問に答えたり、受講者の気付きを少し抽象化して分かりやすくする、一般化をしたりすることで学びが深まっていました。講師に聞くと、意図的に「学びを皆さんに預けている」そうです。
これまで「上手く説明すること=教えること」と思い込んでいましたが、どうやら「気付きを一般化すること」が講師・教師の腕の見せ所のようです。一般化ができれば教えなくても学びが起こる、それを見せて貰った回でした。

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イベント

【開催】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第7回「模擬授業クリニック」

開催報告記事は、こちら

*募集を終了いたしました。お申込みに改めて感謝申し上げます。

 

日本教育研究イノベーションセンターと東京大学大学総合教育研究センターでは、標題の講座を以下のとおり開催いたします。
「インタラクティブ・ティーチング」とは2014年11月から2016年8月までgaccoにて4期にわたり開講されていたオンライン講座です。本講座の動画は編集し直され、2017年5月より、東京大学FDのウェブサイトおよび国立研究開発法人 科学技術振興機構のJREC-IN Portal上で公開されております。また、動画の構成を再現しつつこれに加筆した書籍『インタラクティブ・ティーチング』を2017年2月に刊行しております。
この度、これらの動画と書籍を利用したブレンド学習型の講座を2日間連続で開催いたします。是非、ご参加・周りの方へのお声掛けをよろしくお願いいたします。詳細については、下記をご覧ください。

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「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー
第7回 「模擬授業クリニック」
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目的
クラスデザインやコースデザイン、評価、アクティブ・ラーニングの技法。これまでに学んできた知識やスキルを実践に活かし、他者からの多角的なフィードバックを得るには、模擬授業とその検討を行なうことが有効です。そこで、本講座第7回では「模擬授業クリニック」と題し、「学習者の学びを促す授業を実施できる」ことを目的に掲げます。

到達目標は下記のとおりです。
①「学習の科学」(モチベーションなど)について理解し授業設計に活用できる(事前学習に対応)
②他者の模擬授業を改善する作業を通して、授業実施の際に注意すべき観点を説明できる(当日に対応)
③自身の模擬授業を改善する作業を通して、よりよい実践に活かせる(当日に対応)
*③は模擬授業実施者のみ

1.日時
2019年3月2日(土)13時~18時
3日(日)10時~17時

2.場所
東京大学 本郷キャンパス工学部2号館92B教室, 93B教室

3.対象
【模擬授業実施者(模擬授業を実施していただく方)】
gaccoもしくはJREC-INの「インタラクティブ・ティーチング」の修了証・修了通知保持者、東大FFPの履修証保持者(3月のアカデミー当日時点で保有していること)
*現在修了証・履修証等をお持ちでないかたは、JREC-IN Portal(https://jrecin.jst.go.jp/seek/html/yomimono/interactive_teaching1/index.html)に登録して学習し、修了通知を得ることが可能です。

【模擬授業非実施者(模擬授業を受講しフィードバックをする方)】
高等教育機関教職員、大学院生、PD、初等中等教育機関教職員等

4.定員
【模擬授業実施者】
最大で6名
【参観者(模擬授業非実施者)】
最大で50名
(いずれも先着順。人数に達した時点で申し込みを締め切ります)

5.参加費
10,000円(大学院生およびPDは無料)

6.テキスト
栗田佳代子、日本教育研究イノベーションセンター編著『インタラクティブ・ティーチング ―アクティブ・ラーニングを促す授業づくり―』(河合出版、2017年)

7.事前学習 ・事前課題
・ 『インタラクティブ・ティーチング』第3章「学習の科学」
・ 動画week3「学習の科学」視聴による学習
(動画は https://dev2.utokyofd.com/it/apply/ もしくはhttps://jrecin.jst.go.jp/seek/html/yomimono/interactive_teaching1/index.html(要登録)にて無料視聴可能)

8.当日のプログラム(予定)
【3/2(土)】
13:00~13:10 趣旨説明・自己紹介
13:10~13:35 模擬授業に関する説明
13:35~16:35 模擬授業の実施・検討(1回目)
*2グループに分かれて実施します
*1人10分間の模擬授業実施と約30分間の検討を3人分繰り返します
16:35~17:35 改善方針をたてる(実施者)、参観者セッション(参観者)
17:35~18:00 まとめ

【3/3(日)】
10:00~10:10 趣旨説明
10:10~12:20 模擬授業の実施・検討前半(2回目)
*1回目に得たフィードバックを踏まえて再度模擬授業を実施し、
更なる改善のための検討を行ないます。
*全員同じ教室で実施します。
*一人10分間の模擬授業実施と約20分間の検討を繰り返します
(昼食休憩)
13:20~15:30 模擬授業の実施・検討後半(2回目)
15:40~16:30 改善方針に関するセッション
16:30~16:50 全体共有
16:50~17:00 まとめ

9.講師
栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター准教授)
吉田塁(東京大学 教養学部特任助教)
関戸大(東京大学 大学総合教育研究センター特任研究員)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター特任研究員)

10.お申し込み
以下の申込フォームよりお申込ください。
・ 模擬授業実施者:https://goo.gl/forms/e68GL69Dn83FwkUF2
・ 模擬授業参観者:https://goo.gl/forms/4Fp0yA1bQzA47H5G3

主催:日本教育研究イノベーションセンター、東京大学大学総合教育研究センター
協力:河合塾、KEIアドバンス
以 上

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本件に関する問合せ先
interactivet★tree.ep.u-tokyo.ac.jp (担当:中村長史)までお問い合わせください。
★を@に替えて、件名を「IT20190302」として、ご送信いただければ幸いです。

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【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー第6回「コースデザイン(シラバス)」

先日終了しました下記のイベントにつき、当日の模様と、次回の予告について簡略ながらご報告します。

「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第6回「コースデザイン(シラバス)」

日時:2018年11月11日(日)10時~17時
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館93B教室
参加者数:21名
講師:栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター)
吉田塁(東京大学 教養学部)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「コースデザイン(シラバス)」でした。「シラバスを学習者の学びを促す授業をデザインするツールとしてとらえなおし、実際に作成できる」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。
①授業のコースデザインとシラバスの意義を他人に説明できる(事前学習に対応)
②自分の授業のグラフィックシラバスを作成できる(当日午前の演習に対応)
③持参したシラバスを学習者の学びを促すシラバスとして改善できる(当日午後の演習に対応)

2.概要
反転授業型の本講座では事前課題が設けられていました。当日は、事前学習の復習に続いて、自身の授業のグラフィックシラバスを作成する演習や、テキストシラバスを改善する演習を行ないました。

(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)の該当章(week5、5章)を視聴・読了してくることと、自身の授業のテキストシラバスを提出することが参加者全員に課されました。

(2)当日
【1】趣旨説明(10時~10時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。

【2】事前学習の復習(10時15分~10時30分)
事前学習の復習についてグループワークを交えて行なうことで、知識の定着を図りました。ここでは、シラバスの役割について改めて確認しました。

【3】グラフィックシラバス作成演習(10時30分~12時30分)
自身の授業のグラフィックシラバスを作成するワークを行ないました。学習者の学びを促すようなコースデザインができているかをグラフィックシラバスによって可視化し、よりよいコースデザインを練る点に、その狙いがありました。

参加者同士の学び合いの様子

【4】テキストシラバス改善演習(13時30分~15時30分)
午前の演習で学んだポイントおよび「シラバス・ルーブリック」(授業が学習中心にデザインされているかを定量的・定性的に評価するために、バージニア工科大学で開発されたもの)を踏まえて、自身の授業のテキストシラバスを改善するワークを行ないました。個人での改善とグループでの意見交換を繰り返すことで、コースデザインのみならず細部まで含めて学習者の学びを促すようなシラバスとなっているかを確認しました。

【5】改善(15時45分~16時)
午前や午後の演習で気づいた改善点・改善案を記憶が鮮明なうちにその場で反映させました。

【6】まとめ(16時~16時30分)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

3.参加者の反応
大学・高専教職員11名、大学院生・PD4名、高校・中学校教職員2名、小学校教職員1名、専門学校等教職員3名の計21名の方々にご参加いただくことができました。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、55%の方が最高評価の「際立って良かった」、40%の方が次点の「大変良かった」、5%の方が「良かった」と回答されました。本講座に参加したことで今後の実践は変わりそうかについて、やはり5段階評価(大きく変わると思う、変わると思う、あまり変わらないと思う、全く変わらないと思う、わからない)で尋ねたアンケートでは、39%の方が最高評価の「大きく変わると思う」、61%の方が次点の「変わると思う」との回答でした。

自由記述欄にいただいたコメントには、以下のようなものがありました。
「これまでは義務的に書いていた面もあったが、シラバスを見直すことで授業改善が図れるということに気づいた」(大学教員)
「ふだん相談相手がいなかったので、講師との質疑応答やグループワークでコメントをもらえたのはありがたかった」(大学教員)
「シラバスづくりのポイントを知ることができた。それは自分のため、また生徒のためであると感じた」(高校教員)

過去の回と同様に一定の評価をいただけたことに安堵しております。これからも参加してくださった方々が実践を共有し続けられる場を設けていくとともに、更なる高評価を目指してアンケートで挙がった改善点を検討し、次回以降の企画・運営に活かしていきたいと考えています。

4.次回予告
その次回以降ですが、3月2日(土)と3日(日)に模擬授業をテーマとした二日間連続の講座を予定しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

参考情報
動画「インタラクティブ・ティーチング」 JREC-IN webサイト  東大FD webサイト
書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)
https://www.kawai-publishing.jp/book/?isbn=978-4-7772-1794-6(河合出版webサイト)

中村長史
(「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本講座総合司会)

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【関戸のFFP日誌 vol.4】DAY4「それは本当に評価しないといけないこと?」

Day 4「評価」
・前回の復習
・目的・目標の提示
・評価の意義
・評価の基礎知識(総括的評価と形成的評価)
・ルーブリック(ルーブリックの作成演習)
・振り返り

一般に評価といって想起されるイメージは、学生にとっては合否を決めるための「最後の審判」であり、教員にとっては面倒なペーパーワークであったりします。このイメージを学習者にとっては学びを支援する「伴走者」「羅針盤」、教員にとっては学習者の理解を確認しながら授業を改善するための「教育活動の支援のツール」というイメージに変えて欲しいという講師のメッセージから今回の授業は始まりました。

評価には総括的評価と形成的評価があります。期末試験のように学習終了後に成績評価のために使うのが総括的評価、学習中に学習活動を支援する目的で行うのが形成的評価です。形成的評価は馴染みのある言葉でフィードバックと言い換えても良いかも知れません。総括的評価だけですと、評価がゴールになってしまい、学習者にとっては試験一発勝負、試験が終われば後は学んだことを忘れていくだけになってしまいます。こうならないよう「評価がスタート」になり、学習者が学び続けるために必要なのが形成的評価です。

授業後半は、形成的評価のツールであるルーブリックをグループで作成しました。多くのグループから「この課題でこの観点は評価するべきこと?」「なんだか形式的になり過ぎて、本来評価したいことが評価できなくなっていない?」などという声が聞こえてきて「どんな学びを促したくて評価をしているのか?」を教員が問い直す教育改善のツールとしてのルーブリックの役割が受講者に伝わっているのを感じました。

「学びを促す」という目線で評価を見直すと、それがルーブリックであれ試験であれ「それは本当に評価しないといけないことか?」という問いに向き合わないといけません。「これが絶対正しい」「これで完璧」という評価も授業も無いからこそ、終わることのない改善を続けて行く、教育改善とは、講師の言葉を借りると「サグラダ・ファミリアを作り続ける」ようなもののようです。