10月19日、20日は東大FFPのDAY2でした。今回のトピックは下記のとおりです。
- ・インストラクショナル・デザイン ADDIEモデルの紹介
- ・クラスデザイン (90分や105分の授業をどうデザインするか)
- ・アクティブ・ラーニングの方法(問いかけ、Think-Pair-Share、Peer Instruction)
- ・アクティブ・ラーニングの効果と限界
- ・モチベーション(期待価値理論と環境)
- ・クラスデザイン演習
Deslauriers, L., Schelew, E., & Wieman, C. (2011). Improved learning in a large-enrollment physics class. science, 332(6031), 862-864.
授業評価の高い熟練の教員による一方向の授業と、経験の浅いポスドクによる双方向の授業について、授業後に学生の試験得点を比較すると、双方向授業のほうが圧倒的に点数が高かった、という結果が得られています。ここで用いられている「双方向」の方法がほぼPeer Instructionです。
このPeer Instructionは、ハーバード大学のエリック・マズール先生が開発した方法です。思考を伴う多肢選択問題を用意し、予め予習をしてきた学生が、この問題に取り組み、選んだ選択肢について周囲の数名で討議する、というものです。この討議では選択肢の選択理由を互いに披露し、相手の説得を試みます。詳しくは、下記を御覧ください。
https://dev2.utokyofd.com/it/summary/#section02
Peer Instructionのよいところは、討議のとき、それが正答でも誤答でも真剣にその問いについて議論をすることで、記憶にしっかり刻み込まれるな、ということです。「あ、間違ってた」となっても、もうきっとその問いで学ぶべき概念は忘れないでしょう。そのために重要なのは、仮に間違ってるかもしれなくても堂々と持論を話せるような環境を用意することです。それがなければ、間違い=恥ずかしい→だから話さない、となってしまいます。
Peer Instructionにかぎらず、「相手の意見をきき、自分の意見も伝え、議論する」場を安全にしておくことが、グループワークをする上で重要です。