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【関戸のFFP日誌 vol.2】DAY2「目的・目標が明確だとモチベーションが高まる」

Day 2「クラスデザイン」
・目的・目標の提示
・モチベーション(反転学習)
・クラスデザイン
・アクティブ・ラーニング
・クラスデザインの演習
・振り返り

今回の授業は、授業における目的・目標とモチベーションの関係、モチベーションを維持しながら学びを深める授業デザインについてです。

前回の授業について「目的・目標が明確になっていて、授業の受け手の心構え、気持ちをセットされた」という感想が受講者からありました。学習者にとって「なぜこの科目を学ぶのか?」「何ができるようになるのか?」が明示されていることはモチベーションの喚起と維持につながります。FFPの面白いところは手品を観ながら種明かしをされるような感覚で、受講者が、自分が経験している学びの体験をメタな視点からも観られるようになることです。

モチベーションについて講義が必要な部分(関連する基礎理論など)は動画を観てくることを事前課題とし、この授業の中では「授業が上手くいかない教授へのアドバイス」をグループで考える活動を通して知識を活用しながら深めていました(反転授業)。また、アクティブ・ラーニングの手法の紹介では、ピア・インストラクションについて実際に体験して効果を学びました。
今回の授業ではアクティブラーニングの手法として反転授業とピア・インストラクションを経験し、他の手法については紹介だけに止まりましたが、講師に聞くと「コース全体を通して代表的な手法をそれぞれ一回は経験するようにデザインされている」そうです。

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【関戸のFFP日誌 vol.1】DAY1「学びの場を作る」

「場づくり(仲間を知る&1分間研究紹介)・高等教育を知る」
・目的・目標の提示
・アイスブレイク(他己紹介)
・1分間研究紹介(受講者によるワークとフィードバック)
・高等教育の現状
・振り返り

授業前の受講者たちは、教室に知り合いが殆どいなくて、皆の前で自分の研究を1分間で紹介するという課題が出されていたこともあり、緊張し張り詰めた雰囲気でお互いに余り会話もなく座っていました。
「これでグループワークは上手く回るのかな?」と不安に思いましたが、授業が始まって20分ほどした頃のアイスブレイクでは空気が一気に和やかになり、その後の1分間研究紹介は、お互いの研究紹介を楽しそうに聴き真剣にグループで議論しながらフィードバックをし、授業が終わる頃には、受講者たちもお互いにすっかり打ち解けていました。

冒頭に講師が、この回の目的を「ともに学ぶ仲間を知ることにより、受講の意図を明確に持つ」、目標を「仲間の名前を5人以上覚える」と「仲間」というキーワードを繰り返したことでお互いを仲間だと思って学び会えたのだと思います。授業デザインも、授業冒頭は受講者が答えやすいクローズ質問(「はい」「いいえ」など答えが決まっている質問)で参加を促し、徐々にアイスブレイクの他己紹介、少し複雑なグループでのフィードバックに繋げるというように、簡単な活動から徐々に複雑な活動にスムーズに繋がるように丁寧に設計されていて効果的でした。

今回のメイントピックである1分間研究紹介は、実際の授業で「先生が自分の研究の価値や面白さを伝えることで、学生からの信頼を獲得する」ことに繋がります。プレゼンへのフィードバックを、講師と他の受講者から受け、課題として動画撮影した自分の発表を見直し振り返り学ぶという、なかなか得られないリッチなプレゼンのトレーニングです。講師から全体への「ニュースキャスターのように完璧に話しても、研究の面白さは伝えられない」というフィードバックに、授業では上手く話すことより自分の人間性を出しながら安心して学べる場を作ることが大切だなと気づかされました。

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イベント

【開催】「第11回東大院生によるミニレクチャプログラム」

11月8日(木)に「第11回東大院生によるミニレクチャプログラム」を開催いたします。

会場を総合図書館のライブラリープラザに移して、心機一転の実施になります。
今回も第10回同様、「東大FFP11期修了者のうち、高評価だった模擬授業」を一般公開する形で行われます。

東大FFPの授業では、「6分間でアクティブな模擬授業を行う」というコンテンツがあり、主要な課題の一つになっています。
元々全受講者が授業時間中に、同期受講者に対して実施するものです。
しかし、せっかく作りこんだ内容でもあり、また幅広いご専門の方のお話が純粋に「おもしろい」ということもあり、一般公開に至りました。
「短い時間で、多様なコンテンツについて学べる」という、新しい形のミニレクチャプログラムを体験してみませんか?

詳細は下記をご確認のうえ、お申し込みください。

みなさまのご参加を、お待ちしております。

–—
日時:2018年11月8日(木) 17:00~19:00(16:30受付開始)

※今回は事前勉強会の開催はありません。

レクチャ内容:
ミニレクチャ1「『日本語学概論』ことばのゆれ 〜ら抜きことば〜」:講師 田中弥生さん(総合文化研究科)
ミニレクチャ2「濁音を探せ! 〜仮名文献の濁音の歴史〜」:講師 佐藤嘉惟さん(総合文化研究科)
ミニレクチャ3「倫理学的に考えるための道具 〜一貫性の要求〜」:講師 三羽恵梨子さん(医学系研究科)
ミニレクチャ4「●●はタバコと同じくらい健康によくない? 〜健康の社会的決定要因(SDH)を知ろう〜」:講師 西岡大輔さん(医学系研究科)
ミニレクチャ5「Yanny or Laurel? 〜音の錯覚から迫る知覚の個人差〜」:講師 野村圭史さん(総合文化研究科)

東大FFPで教え方を学んだ成果を活かして専門外の人にもわかりやすく伝えます。
講師と参加者が双方向で議論する、新しい教育のスタイルを実際に体験できます。

会場: 東京大学 本郷キャンパス 総合図書館別館地下1階 ライブラリープラザ

定員: 40名程度 (事前申込推奨)
※予約なしでも当日参加可能ですが、資料準備の関係上、事前申し込みを推奨しております。

お申込みと詳細はこちらへお願いします。: https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/ja/library/general/event/20181016

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【関戸のFFP日誌 vol.0】はじめに ~東大FFPとは~

仙台から東大FFP(フューチャーファカルティプログラム)のお手伝いに来ている特任研究員の関戸です。「学生が楽しく教室に来て、本当に学べる授業」を学び伝えるために東大FFPに参加しました。

東大FFPとは「優秀な研究者」であると同時に「優秀な教育者」となるために東京大学の学生、院生、ポスドク、そして若手教員が「主体的に学ぶ授業を作り実践するスキル」と「教育の改善・探求という姿勢や考え方」を身に付けることを目的として栗田佳代子先生(東京大学大学教育総合研究センター)を講師に開講されている授業です。

春と秋に2コマ連続・隔週で開催され、1クラス25人の厳選された受講者が研究科、学生・教員の立場を超えて、ともに教育を探求する仲間として全8回の授業で、授業デザイン、シラバス、評価、模擬授業、教員としてのキャリアパスなどを、グループワークを通じて実践的、主体的に学ぶ『「大学で教える」を学ぶ授業』です。

この教室の中で起こっている学びの雰囲気と私なりの気づきを皆さんに少しおすそ分け出来たらと思います。

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【開催】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第6回「コースデザイン(シラバス)」

開催報告記事は、こちら

*募集を終了いたしました。お申込みに改めて感謝申し上げます。

日本教育研究イノベーションセンターと東京大学大学総合教育研究センターでは、標題の講座を以下のとおり開催いたします。
「インタラクティブ・ティーチング」とは2014年11月から2016年8月までgaccoにて4期にわたり開講されていたオンライン講座です。本講座の動画は編集し直され、2017年5月より、東京大学FDのウェブサイトおよび国立研究開発法人 科学技術振興機構のJREC-IN Portal上で公開されております。また、動画の構成を再現しつつこれに加筆した書籍『インタラクティブ・ティーチング』を2017年2月に刊行しております。
この度、これらの動画と書籍を利用したブレンド学習型の講座を開催いたします。是非、ご参加・周りの方へのお声掛けをよろしくお願いいたします。詳細については、下記をご覧ください。

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「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー
第6回 「コースデザイン(シラバス)」
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目的
シラバスの普及率はほぼ100%となっていますが、学生にとっては多くの場合授業選択の資料にとどまり、また、教員にとってもただ何となく項目を埋めるだけのものになりがちではないでしょうか。しかし、工夫次第では学習者の学びを促すことができ、教員の授業科目をデザインするツールとなります。

そこで、本講座では「シラバスを学習者の学びを促す授業をデザインするツールとしてとらえなおし、実際に作成できる」を目的に掲げます。

到達目標は下記のとおりです。
①授業のコースデザインとシラバスの意義を他人に説明できる(事前学習に対応)
②自分の授業のグラフィックシラバスを作成できる(午前に対応)
③持参したシラバスを学習者の学びを促すシラバスとして改善できる(午後に対応)

1.日時
2018年11月11日(日)10時~17時

2.場所
東京大学 本郷キャンパス工学部2号館93B教室

3.対象
高等教育機関教員、大学院生、PD、初等中等教育機関教員等
(定員50名、先着順)
*本講座は高等教育機関におけるシラバスを想定した内容となっております。

4.参加要件・参加費
10,000円(大学院生およびPDは無料)

5.テキスト
栗田佳代子、日本教育研究イノベーションセンター編著『インタラクティブ・ティーチング ―アクティブ・ラーニングを促す授業づくり―』(河合出版、2017年)

6.事前学習 ・事前課題
・ 『インタラクティブ・ティーチング』第5章「もっと使えるシラバスを書こう」購読による学習
・ 動画week5「もっと使えるシラバスを書こう」視聴による学習
(動画は https://dev2.utokyofd.com/it/apply/ もしくはhttps://jrecin.jst.go.jp/seek/html/yomimono/interactive_teaching1/index.html(要登録)にて無料視聴可能)
・ テキストシラバス案(1科目)を作成し持参する

7.当日のプログラム
10:00~10:15 趣旨説明
10:15~10:30 事前学習の復習
10:30~12:30 グラフィックシラバス作成演習
(12:30~13:30 昼食休憩)
13:30~15:30 テキストシラバス改善演習(休憩含む)
(15:30~15:45 休憩)
15:45~16:15 改善の反映
16:15~16:40 改善点の共有、質疑応答
16:40~17:00 まとめ

8.講師
栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター准教授)
吉田塁(東京大学 教養教育高度化機構特任助教)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター特任研究員)

9.お申し込み
以下の申込フォームよりお申込ください。先着順で受け付けます。
https://goo.gl/forms/ykt5grt6K1xpNEJg2
定員に達した後はフォームがオープンの状態でもキャンセル待ちとなることがあります。

主催:日本教育研究イノベーションセンター、東京大学大学総合教育研究センター
協力:河合塾、KEIアドバンス

以 上
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本件に関する問合せ先 interactivet<at>tree.ep.u-tokyo.ac.jp (担当:中村長史)までお問い合わせください。
<at>を@に替えて、件名を「IT20181111」として、ご送信いただければ幸いです
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【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー第5回「模擬授業クリニック」

先日終了しました下記のイベントにつき、当日の模様と、次回の予告について簡略ながらご報告します。

「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第5回「模擬授業クリニック」

日時:2018年8月5日(日)9時~17時
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館93B教室
参加者数:26名(うち模擬授業実施者6名)
講師:栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター)
吉田塁(東京大学 教養学部)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「模擬授業」でした。「学習者の学びを促す授業を実施できる」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。
①「学習の科学」(モチベーションなど)について理解し授業設計に活用できる(事前学習に対応)
②他者の模擬授業を改善する作業を通して、授業実施の際に注意すべき観点を説明できる(当日に対応)
③自身の模擬授業を改善する作業を通して、よりよい実践に活かせる(当日に対応) *③は模擬授業実施者のみ

2.概要
反転授業型の本講座では事前学習の機会が設けられていました。当日は、事前学習を踏まえて、模擬授業の実施・検討を行ないました。
(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)の「学習の科学」に関する部分(week3、3章)を視聴・読了してくることが参加者全員に課されました。学びを促す授業を実施するうえで、モチベーションの喚起等に関する理論が重要となるためです。また、模擬授業実施者には、授業案や当日の資料の事前提出が求められました。

(2)当日
【1】趣旨説明(9時~9時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。今回の参加者は、模擬授業の実施者6名と模擬授業を受ける立場の非実施者20名で構成されています。

【2】模擬授業の実施・検討1回目(9時15分~12時10分)
まず、模擬授業を実施・検討する意義について確認しました。その後、2つの教室に分かれ、3人ずつ模擬授業を行ないました。ここでは、一人6分間の模擬授業後、それぞれ40分間の意見交換の時間を設け、優れている点と改善点・改善案をグループごとおよび全体で検討しました。最後に、もう一度全員で集まり、午後の2回目の実施・受講に向けて留意すべき点を確認しました。

模擬授業の様子

 

【3】模擬授業の改善[実施者]/模擬授業から学べること[非実施者](13時10分~14時10分)
2つの教室に分かれて実施しました。
模擬授業実施者は、1回目の実施の際に得たフィードバックを踏まえて、各人の授業の改善に取り組みました。
一方、非実施者は、1回目の模擬授業について検討して学んだことについてまず互いに共有し、次に授業をよくするフィードバックを行うために、授業をみる観点について検討し、まとめました。

【4】模擬授業の実施・検討2回目(14時20分~16時30分)
1回目の実施の際のフィードバックを踏まえて改善された授業を、今度は6名全員が同じ教室で実施しました。ここでは、6分間の模擬授業後、それぞれ10分間の意見交換の時間を設け、優れている点や改善された点、なお残る改善点や改善案について意見交換しました。当該授業を初めて聴く方と二回目の方の双方の視点から検討を行なうことに、その狙いがありました。

【5】まとめ(16時30分~17時)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

参加者同士の学び合い(まとめ)の様子

3.参加者の反応
参加者26名の構成は、大学・高専教職員11名、大学院生・PD6名、高校・中学校教職員3名、小学校教職員2名、専門学校等教職員2名、企業2名でした。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、56%の方が最高評価の「際立って良かった」、40%の方が次点の「大変良かった」、4%の方が「良かった」と回答されました。ワークショップに二日間参加したことで今後の実践は変わりそうかについて、やはり5段階評価(大きく変わると思う、変わると思う、あまり変わらないと思う、全く変わらないと思う、わからない)で尋ねたアンケートでは、35%の方が最高評価の「大きく変わると思う」、同じく61%の方が次点の「変わると思う」、4%の方が「あまり変わらないと思う」との回答でした。
自由記述欄にいただいたコメントには、以下のようなものがありました。

  • 「多様な方々からフィードバックをいただいたことで、日ごろにはない視点が得られた」(模擬授業実施者)
  • 「検討して終わりではなく、その日のうちに具体的な改善までできてよかった」(模擬授業実施者)
  • 「あらためて授業を検討する観点を整理できた」(模擬授業受講者)

4.次回予告
次回以降ですが、11月11日(日)にシラバスをテーマとした一日完結の講座を予定しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

参考情報
動画「インタラクティブ・ティーチング」 JREC-IN webサイト  東大FD webサイト
書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)
https://www.kawai-publishing.jp/book/?isbn=978-4-7772-1794-6(河合出版webサイト)

中村長史 (「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本講座総合司会)

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【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー第4回「アクティブ・ラーニングの技法」

先日終了しました下記のイベントにつき、当日の模様と、次回の予告について簡略ながらご報告します。

「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第4回「アクティブ・ラーニングの技法」

日時:2018年8月4日(土)9時~16時
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館93B教室
参加者数:43名
講師:栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター)
吉田塁(東京大学 教養学部)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「アクティブ・ラーニングの技法」でした。「学習者の学びを促すアクティブ・ラーニング(AL)の方法を授業にとりいれられる」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。

①ALの意義を説明できる(事前学習に対応)
②他者の授業におけるワークを改善する作業を通して、AL設計の際に注意すべき観点を説明できる(当日午前の演習に対応)
③学習者の学びを促すワークを設計できる(当日午後の演習に対応)

2.概要
反転授業型の本講座では事前課題が設けられていました。当日は、事前学習の復習に続いて、AL設計に関するサンプルを改善する演習や、自身の授業で用いるワークを設計する演習を行ないました。

(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)の該当章(week1~2、1~2章)を視聴・読了してくることが参加者全員に課されました。また、希望者は、自身の授業で用いるワークを設計し提出することができました。

(2)当日
【1】趣旨説明(9時~9時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。

【2】事前学習の復習(9時15分~9時30分)
事前学習の復習についてグループワークを交えて行なうことで、知識の定着を図りました。ここでは、ALを導入する意義や注意点を中心に改めて確認しました。

【3】ワーク改善演習(9時30分~12時)
サンプルとして配布されたワーク設計の優れている点と改善点とを指摘するグループワークを行ないました。事前課題とその復習で得た知識を実践できるようになることに、その狙いがありました。

参加者同士の学び合い(改善演習)の様子

【4】ワーク作成演習(13時~15時30分)
午前の改善演習で学んだポイントを踏まえて、自身の授業で用いるワークの設計を行ないました。個人での作成とグループでの意見交換を繰り返すことで、各人の授業の目的・目標に沿ったワークの設計ができているかを確認しました。

グループの意見交換(作成演習)の様子

【5】まとめ(15時30分~16時)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

3.参加者の反応
大学・高専教職員17名、大学院生・PD9名、高校・中学校教職員10名、小学校教職員3名、専門学校等教職員4名の計43名の方々にご参加いただくことができました。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、49%の方が最高評価の「際立って良かった」、47%の方が次点の「大変良かった」、4%の方が「良かった」と回答されました。ワークショップに二日間参加したことで今後の実践は変わりそうかについて、やはり5段階評価(大きく変わると思う、変わると思う、あまり変わらないと思う、全く変わらないと思う、わからない)で尋ねたアンケートでは、23%の方が最高評価の「大きく変わると思う」、74%の方が次点の「変わると思う」、3%の方が「あまり変わらないと思う」との回答でした。
自由記述欄にいただいたコメントには、以下のようなものがありました。

「今日の研修で設計したワークを必ず実践し、ブラッシュアップしていきます」(大学教員)

「この研修がALそのものという感じで体験できてよかった」(大学教員)

「ALを目的化してはいけないということを学びました」(小学校教員)

一定の評価をいただけたことに安堵する一方、過去3回に比べると少し満足度が下がった点を重く受け止めております。これからも参加してくださった方々が実践を共有し続けられる場を設けていくとともに、更なる高評価を目指してアンケートで挙がった改善点(ALの技法についても二日制で行なうべきか、より多くの技法を検討する機会を設けるべきかなど)を検討し、次回以降の企画・運営に活かしていきたいと考えています。

4.次回予告
その次回以降ですが、11月11日(日)にシラバスをテーマとした一日完結の講座を予定しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

参考情報
動画「インタラクティブ・ティーチング」
JREC-IN webサイト   東大FD webサイト
書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)
https://www.kawai-publishing.jp/book/?isbn=978-4-7772-1794-6(河合出版webサイト)

中村長史 (「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本講座総合司会)

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【開催報告】「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー第3回「学びを促す評価(ルーブリック)」

先日終了しました下記のイベントにつき、当日の模様と、次回の予告について簡略ながらご報告します。

「インタラクティブ・ティーチング」アカデミー 第3回「学びを促す評価(ルーブリック)」

日時:2018年6月3日(日)9時~16時、8月3日(土)14時~17時
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部2号館93B教室
参加者数:34名(二日目は23名)
講師:栗田佳代子(東京大学 大学総合教育研究センター)
吉田塁(東京大学 教養学部)
中村長史(東京大学 大学総合教育研究センター)

1.テーマ・目的
今回のテーマは、「学びを促す評価」でした。「学習者の学びを促すような評価をすることができる」という目的のもと、より具体的には、下記の到達目標を定めました。
①評価の意義を説明できる(事前課題に対応)
②ルーブリックの改善を通して、評価の際に注意すべき観点を説明できる(一日目の午前の内容に対応)
③学習者の学びを促すルーブリックを作成する(一日目の午後の内容に対応)
④ルーブリックを自分の現場で用い、よりよい活用に向けて改善する(二日目の内容に対応)

2.概要
今回は、一日目にルーブリックについて学びあい、ルーブリックの作成および改善を行い、現場の授業で実際に用いたうえで、二ヶ月後に設定された二日目にその実施報告と改善を検討するために再び集まるという「学習と作成―実践―実施報告と改善」という構成としました。参加者の方々が本講座で学んだことを着実にご自身の授業に活かすことを目指しました。

また、反転授業型の本講座では事前課題が設けられていました。当日は、事前学習の復習に続いて、サンプルのルーブリックを改善する演習や、自身の授業で用いるルーブリックを作成する演習を行ないました。

(1)事前学習
動画「インタラクティブ・ティーチング」および書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年)の該当章(week6、6章)を視聴・読了してくることが参加者全員に課されました。また、希望者は、ルーブリックを作成・提出することができました。

(2)一日目:6月3日
【1】趣旨説明(9時~9時15分)
本日のプログラム全体の目的や構成、本イベントにおけるルールを確認した後、参加者同士の自己紹介を行ないました。

【2】事前学習の復習(9時15分~9時30分)
事前学習の復習についてグループワークを交えて行なうことで、知識の定着を図りました。ここでは、評価一般における意義や注意点を中心に改めて確認しました。

【3】ルーブリック改善演習(9時30分~11時45分)
サンプルとして配布されたルーブリックの優れている点と改善点とを指摘するグループワークを行ないました。事前課題とその復習で得た知識を実践できるようになることに、その狙いがありました。

参加者同士の学び合い(グループ発表)の様子

【4】ルーブリック作成演習(13時~15時30分)
午前の改善演習で学んだポイントを踏まえて、自身の授業で用いるルーブリックの作成を行ないました。個人での作成とグループでの意見交換を繰り返すことで、設定した目的・目標に沿ったルーブリックになっているかを確認しました。

グループでの意見交換の様子

【5】まとめ(15時30分~16時)
まとめでは、本日学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、確認しました。

(3)二日目:8月3日
【1】趣旨説明(14時~14時10分)
二日目の目的や構成の確認を含め、プログラム全体の目的やルールを改めて確認しました。

【2】実践報告・グループワークでの改善(14時10分~16時40分)
まず、各人が一ヵ月の間で実践できた点、できなかった点やその理由、悩んでいる点について報告していただきました。その後、ルーブリックの更なる改善案についてグループワークを通して検討しました。

グループワークでの改善の様子

【3】まとめ(16時40分~17時)
まとめでは、二日間を通して学んだことや疑問に思ったことと、それを踏まえて翌日以降に各人の現場に持ち帰るものとを、グループワークや質疑応答を通して、改めて確認しました。

3.参加者の反応
大学・高専教職員14名、大学院生・PD7名、高校・中学校教職員7名、小学校教職員1名、専門学校等教職員3名、民間企業2名の計34名の方々にご参加いただくことができました。二日目については平日開催となったため、所属先のご都合で参加がかなわない方が少なからずいらっしゃったものの、23名の方々に引き続きご参加いただきました。満足度について5段階評価(際立って良かった、大変良かった、良かった、まあまあ、良くなかった)で尋ねたアンケートでは、70%の方が最高評価の「際立って良かった」、26%の方が次点の「大変良かった」、4%の方が「良かった」と回答されました。

また、一日目と二日目との間に二ヶ月を空け、設計、実践、報告の機会を設けたことについて5段階評価(大変効果が大きい、効果が大きい、わからない、あまり効果がない、全く効果がない)で尋ねたアンケートでは、61%の方が最高評価の「大変効果が大きい」、35%の方が次点の「効果が大きい」と回答されました(実践の機会がなかった4%の方が「わからない」)。ワークショップに二日間参加したことで今後の実践は変わりそうかについて、やはり5段階評価(大きく変わると思う、変わると思う、あまり変わらないと思う、全く変わらないと思う、わからない)で尋ねたアンケートでは、52%の方が最高評価の「大きく変わると思う」、48%の方が次点の「変わると思う」との回答でした。自由記述欄にいただいたコメントには、以下のようなものがありました。

「実践の機会があることによって、実体験を通じて記憶に残り、次のステップへと進みたいというモチベーションにもつながった」(大学教員)

「実践して二日目に報告をしなければならないため、忙しくても頑張ってやらなければとなる」(高校教員)

「様々な属性の参加者や講師からコメントをもらえたので、自分の立ち位置からばかり考えていた内容を客観的に捉えることができた」(大学教員)

今回は前回に続き二度目の二日制の試みでしたが、一定の高い評価をいただけたことに安堵しております。参加してくださった方々が実践を共有し続けられる場を設けていくとともに、更なる高評価を目指してアンケートで挙がった改善点(一日目と二日目の間の間隔をどの程度設けるかなど)を検討し、次回以降の企画・運営に活かしていきたいと考えています。

4.次回予告
次回は、11月11日(日)にシラバスをテーマとした一日完結の講座を予定しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。皆様のご参加をお待ちしております。

参考情報
動画「インタラクティブ・ティーチング」 JREC-IN webサイト 東大FD webサイト

書籍『インタラクティブ・ティーチング』(河合出版、2017年) https://www.kawai-publishing.jp/book/?isbn=978-4-7772-1794-6(河合出版webサイト)

中村長史 (「インタラクティブ・ティーチング」担当・特任研究員、本講座総合司会)

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新着情報

書籍の紹介記事が掲載されました

東大FFP修了生を中心に執筆された書籍『 博士になったらどう生きる? 78名が語るキャリアパス』の紹介文が、東京大学のウェブサイト上に掲載されました。

簡潔に内容がまとめられておりますので、ぜひご覧ください。

UTokyo BiblioPlaza:

https://www.u-tokyo.ac.jp/biblioplaza/ja/C_00127.html

UTokyo BiblioPlaza twitter:

https://twitter.com/utokyobiblio/status/1026277997093908480